電動キックボード、電動車いす、電動カートなどの電動モビリティは、まだ日常で見かける機会が少なく、少しニッチな存在かもしれません。だからこそ「どんな乗り物?」「どこで使える?」といった疑問が生まれます。本サイトでは、暮らしを豊かにする可能性を持つ電動マイクロモビリティの基本情報を紹介します。
1.電動モビリティって何?基本を解説
電動モビリティとは
・電動モビリティとはモーターとバッテリーを搭載し、電気の力で走行する乗り物
電動モビリティとはモーターとバッテリーを搭載し、電気の力で走行する乗り物。電気自動車から電動キックボードなど様々なタイプがあります。なお、「モビリティ(Mobility)」は「移動する力」や「移動の自由」を意味する言葉で、電動モビリティは「電気により移動する力」、「電気の力による移動の自由」と捉えることもできます。
さて、昨今、電動モビリティは環境規制、技術の進歩、都市ニーズの変化や環境規制を背景に多様化し、消費者にはいろいろな選択肢が増えました。とりわけ、下記に記載の電動マイクロモビリティは新しい商品が次々に発表されております。
【電動モビリティのカテゴリー】
① 電気自動車(EV)
電気の力で動く一般的な乗用車。長距離移動に最適。
例:テスラ モデル3や日産リーフ、サクラなど
② 超小型EV(マイクロEV)
1~2人乗りのコンパクトな車。都市部の短t距離移動に最適。
例:トヨタ コムス、KGモーターズ ミボットなど
③ 電動マイクロモビリティ
一人乗りで短距離移動に最適。電動キックボード、電動車いす、シニアカーなど。
例:WHILL、トヨタ C+WALK、スズキ ET4Dなど
他の乗り物との違い ・電気を動力源とする乗り物 ・環境負荷が少ない ・静音性に優れる ・操作性が高い ・都市部や短距離移動に最適
既述の通り、電動モビリティは電気を動力源とした乗り物で、その特性からガソリン車やバイクなどと比べて環境負荷が少なく、静音性・操作性に優れた“次世代の移動手段”です。
特に超小型EV(マイクロEV)や電動マイクロモビリティは都市部や短距離移動に最適であることに加え、充電代や整備費などの維持費が比較的安価で、操作性がシンプルで直感的に扱えるため、初心者でも扱いやすい設計となっておます。
実際、コンビニや宅配サービスの配送車に超小型EVが活用されたり、都内ではここ数年で電動キックボードに乗る若者を見かける機会が増えました。また、これらを取り巻く法規制に関して昨今法の改定・制度改定などが行われており、現制度においては車種によって免許が不要な場合があります。
一方、ガソリン車/軽油車・バイクはガソリンや軽油を動力源とし、環境負荷が高く排ガスを排出します。エンジンの騒音があり、また、維持費(燃料代、オイル交換など)が掛かる。操作には運転技術が必要で、原則として免許が必要です。用途としては長距離や高速移動に適しています。
ガソリン車/軽油車・バイクの特徴
・ガソリン・軽油駆動
・排ガスあり・騒音あり
・維持費高め(燃料・オイル交換)
・運転技術・免許が必要
・長距離・高速移動向け
自転車は人力を動力源とし、環境負荷はほぼゼロで騒音も静かです。維持費はほとんどかからず、操作には体力が必要で超短距離の移動や健康志向の利用に向いています。なお、2026年4月より法規制として青切符制度が導入されます。
※青切符制度について(参考:警視庁HP)
自転車の特徴
・人力で動く
・環境負荷ゼロ・騒音なし
・維持費ほぼ不要
・法規制なし
・体力が必要
・超短距離・健康志向向け
2.まずはここから。選び方のポイント。
タイプ別の特徴、向いている人
電動マイクロモビリティ(電動キックボード、電動車いす、電動カートなど)のタイプ別の特徴とオススメのモデルを紹介します。
【電動キックボード】
①特徴:
・ 駅までのラストワンマイルや都市部の短距離移動に最適
・ 折りたたみ可能なモデルも多く、電車やバスとの併用がしやすい
・ 操作が簡単、免許不要のモデルは導入ハードルが低い
・一方で免許が必要なモデルもある
・ スタイリッシュなデザインが多く、都市部で車を持たない若年層のライフスタイルにマッチ ※改正道路交通法の一部施工について(警視庁)
② 向いている人:
・若者、都市部在住者、通勤通学者
・単距離移動をスマートにこなしたい人
【電動モペット(ペダル付き電動バイク)】
① 特徴:
・ ペダルとモーターの併用で、電動アシスト自転車よりも走行力が高い
・ 原付扱いのため、法規制はあるがその分走行範囲が広がる
・ 近隣や郊外への移動など原付バイクに似た実用を求める人に向いている
・ 自転車の自由さとバイクの機動力を兼ね備えた選択肢
② 向いている人:
・自転車+バイクの中間を求める人
・自転車では大変、でも車を使うほどではないという短距離の移動を求める人
【シニアカー】
①特徴:
・ 歩道走行が可能で、免許不要。日常の買い物や病院通いに安心して使える
・ 安定性が高く、転倒リスクが低い設計
・ 操作が非常に簡単で、ボタンやレバーで直感的に動かせる
・ 自立支援の観点から、外出機会を増やし社会参加を促す効果もある
②向いている人:
・高齢者(免許返納者など)・歩行が困難な人
【 電動車いす】
①特徴:
・ 屋内外で使えるモデルが多く、段差や傾斜にも対応できる設計
・ 操作が直感的で、ジョイスティックやスマホ連携など多様な操作方法が選べる
・ デザイン性の高いモデルは、ユーザーの心理的抵抗を減らし、外出意欲を高める
・「移動の自由」を再獲得することで、自己肯定感や社会参加意欲が向上する
②向いている人:
・歩行困難者・障がい者・高齢者(免許返納者など)・介助者と外出する人
価格帯 ・電動キックボード:約5万〜10万円前後 ・電動モペット(ペダル付き電動バイク):約7万〜30万円 ・シニアカー:約15万〜50万円 ・電動車いす:約6万〜50万円以上
電動マイクロモビリティは国内外の製品が展開されており、価格が大きく異なります。
【電動キックボード】
約5万円~10万円前後の価格帯が中心ですが、高スペックタイプでは50万円近くするモデルもあります。価格が安いことは魅力的ですが、保安基準を満たしているのか、安全性は担保されているのかは十分に検討する必要があります。
【モペット(ペダル付き電動バイク)】
約7万円~30万円で、価格は性能(速度・航続距離・バッテリー容量)や法区分(特定小型原付・原付一種・原付二種)によって大きく変わります。
【シニアカー】
約15万円〜50万円で、機能や走行距離、安全装備によって価格が大きく変動します。
【電動車いす】
約6万円〜50万円以上で、機能や用途に応じて幅広く展開され、折りたたみ式の軽量モデルや高機能なモデルまでラインナップされています。
信頼性とオススメメーカー
・安全性と品質を最優先、保安基準・法制度に対応できるメーカーの選択が安心
各電動モビリティをインターネットやショッピングサイトなどで検索すると、国産品や海外品、様々なメーカーの電動モビリティがヒットし、選択肢が非常に多く悩ましいところです。優先すべきは安全性と品質であり、公共の安全を見据え、保安基準や法制度を整えておりますので、それに対応できるメーカーの電動モビリティが信頼性が高いといえます。それを踏まえ、日本メーカーのスタイリッシュな電動モビリティを紹介します。
【電動キックボード】
・Kintone
日本メーカー。長期保証、コールセンター設置でアフターサポートも安心の体制。車体からは黒基調のものが多く、都会的である。
参考:Kintoneホームページ
・BLAZE
名古屋に本社を置く。電動モビリティの企画・製造・販売を行う。
参考:BLAZEホームページ
【電動モペット(電動キックボード)】
・glafit
和歌山のメーカー。自社で開発、設計を行う。HPでは電動モビリティに関する豆知識配信や産学連携の取り組み、一般社団法人日本電動モビリティ推進協会協会乃立ち上げなど業界を盛り上げている。
参考:glafitホームページ
【シニアカー・電動車いす】
・WHILL
東京に本社を置く。世界5か国にもオフィスを構える。近距離移動の折りたたみできる電動車いすや分解して車載できる電動モビリティがラインナップされています。
参考:WHILLホームページ
・セリオ
静岡県に本社を置く。国内自社工場でのシニアカー・電動車いすの製造・開発、販売。レンタルなどを行っています。試乗による安全運転指導や定期点検、あんしん補償を含む充実したサポートを提供、製品(電動カートや電動車いす)は介護保険レンタルにも対応しています。
参考:https://serio888.net/
詳細は各メーカのサイトをご参照下さい。また、こちらに記載以外には大手メーカーのモビリティなどもございます。
3.レンタルか購入か
レンタル、購入のメリット・デメリット ・購入は使いたいときにいつでも使える。一方、初期費用・維持費がかかる。 ・レンタルは初期費用が安く、メンテナンス等の維持費がレンタル料が含まれることが多い。 ・一方、使用できる機種が限定される、貸出されているなど必要時にレンタルできない 場合がある。
電動モビリティの利用にあたっては、主にレンタル、購入に2通りあり、それぞれメリット・デメリットがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し最適な利用方法を選択してください。
【購入】
①メリット:
・長期間の使用でコストがお得になる。
・機種やカスタマイズの自由度が高い。
・使いたい時にいつでも利用できる。
②デメリット:
・初期費用が高額。
・維持費(メンテナンス、修理)が自己負担。
・介護保険の対象外。
【レンタル】
①メリット:
・初期費用が安い。
・短期間のお試し利用や、旅行などに便利。
・メンテナンス費用が含まれることが多い。
・介護保険の対象になる場合がある。
②デメリット:
・長期間の使用では割高になる可能性。
・機種が限定されることがある。
・利用期間や利用状況によっては不便。
まずはレンタルという選択肢
・まずはレンタルで電動モビリティを体感することをオススメします。
電動モビリティの購入を検討する際は、試乗やレンタルで実際に体験することをおすすめします。特にレンタルは、日常の生活環境で操作性や乗り心地をじっくり確認でき、カタログでは分からない実用性を把握するのに有効です。初期費用のリスクを抑え、機種選びの失敗を防ぐだけでなく、レンタルで十分という選択肢も見えてくるかもしれません。
4.公道・公共で使える?法制度のチェックポイント
【電動キックボード・電動モペット】
・保安基準を満たした電動キックボード、電動モペットは公道走行可能。
・モーターの出力で免許の要否が分かれる。
・自賠責保険加入必須、16歳以上が免許なしで運転可等の諸条件がある。
・歩道の走行は不可。ただし、電動キックボードは時速6km/hモード等、所定の条件下で自 転車走行可の歩道を走行可である。
【シニアカー・電動車いす】
・歩行者扱い、歩道走行可である。
道路交通法との関係
【電動キックボード】
令和5年7月1日から電動キックボード等のうち一定の基準を満たすものについては、「特定小型原動機付自転車」と位置づけられ、運転免許不要等の新しい交通ルールが適用されました。電動キックボード等は、道路交通法上の「車両」に該当し、電動式モーターの定格出力等に応じた車両区分に分類されます。
電動キックボードは道路交通法上、「車両」として扱われ、モーターの定格出力に応じて車両区分が決定されます。
1.モーターの出力が0.60キロワット以下は原動機付自転車。
さらに下記の2種に分類される。
①大きさや最高速度等が一定の基準に該当するもの → 特定小型原動機付自転車
②それ以外のもの → 一般原動機付自転車
2.モーターの出力が0.60キロワット超は普通自動二輪等
それぞれ下記のような法的特徴があります。
1-① 特定小型原動機付自転車に該当する電動キックボードの法的特徴(抜粋)
・運転免許不要(16歳以上に限る)
・16歳未満は運転禁止
・ヘルメット着用は努力義務
・自賠責保険または共済への加入が必要
・車両区分に応じたナンバープレートを装着する必要あり
・最高速度表示灯を点滅させること、時速6キロメートルを超える速度を出すこと
ができないことで自転車が走行可能な歩道のみ走行可。
参考:警視庁HP「特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について」
1-② 特定小型原動機付自転車に該当しない電動キックボードの法的特養(抜粋)
・運転免許が必要(車両区分に応じた免許)
・車道通行のみ(歩道通行は禁止)
・ヘルメット着用義務
・保安基準に適合していないと道路走行不可
・自賠責保険または共済への加入が必要
・車両区分に応じたナンバープレートを装着する必要あり

図出典:警視庁ホームページ 特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について
【電動モペット(ペダル付き電動バイク)】
電動モペットは「ペダル付き原動バイク」といい、原動機付自転車(原付バイク)として扱われます(自転車ではない)。ただし、電動キックボード同様に特定小型原動機付自転車に該当する場合は免許不要です。
【シニアカー・電動車いす】
運転免許証は不要です。従いまして、免許を持っていない人や返納した人でも利用可能です。
道路交通法上、「歩行者」として扱われます。
公共での使用
■公道での利用
既述の通りです。
■公園での利用
電動キックボードの公園内での利用については、電動キックボードが比較的新しいモビリティですので公園内でのルールや制度が追い付いておらず、公園を管理する機関に確認が必要です。
電動モペットは基本的には原動機付自転車ですので、原付バイクの観点でバイクが入ってはいけない公園、パークの利用はNGです。
シニアカー、電動車いすは歩行車の扱いですので公園での利用は基本的に可能です。
■テーマパークでの利用
電動キックボードや電動モペットをテーマパーク内で乗るということはないと思いますので割愛します。
シニアカー、電動車いすは歩行者の扱いですのでテーマパークでの利用は可能です。テーマパークによっては、電動車いすを貸し出しているところもございます。シニアカーにおいては、屋外移動用の乗り物として使われるケースが多いため、テーマパーク内の建物施設内では使用できないと思われます。事前に各テーマパークに確認されることをお勧めします。
安全に使うための注意点
・主に交通ルールを厳守、状況に応じた確実な運転操作、車両の管理の3点に注意しましょう。
電動モビリティを安全に使うための注意点として、主に以下の点が挙げられます。ただし、電動モビリティの種類(電動アシスト自転車、電動キックボードなど)によって、適用される交通ルールや安全対策が異なりますので、ご自身の利用するモビリティのルールを必ず確認してください。
電動モビリティ(特に電動キックボード、電動モペット)を安全に使うための下記の3点に注意しましょう。
①交通ルール厳守
・車道の左側端を走行し、逆走しない。
・歩道通行可のモビリティは、速度(6km/h)と歩行者優先を徹底。
・信号、一時停止を遵守。
・飲酒運転、二人乗り、ながら運転(スマホ操作)は厳禁。
・特定小型原付などは、交差点で二段階右折が必要。
・ヘルメット着用。努力義務でも、事故被害軽減のため乗車用ヘルメットの着用を推奨。
②運転操作
・急発進、急ブレーキ、急ハンドルを避ける(特に雨天・滑りやすい路面)。
・片手運転はしない。
③車両の管理
・取扱説明書を読み、定期的なメンテナンス(ブレーキ、タイヤ、ライト等)を実施。
・安全基準・保安基準を満たした製品を選ぶ。
利用する電動モビリティの種別や、最新の法律・条例を常に確認し、安全な利用を心がけましょう。
5.まとめ
電動モビリティは、環境に優しく、私たちの「移動の自由」を広げる次世代のツールで、あなたの行動範囲とQOL(生活の質)を高める可能性を秘めています。特に電動マイクロモビリティ(電動キックボード、電動モペット、シニアカー、電動車いす)は、個々の生活や身体状況に応じた多様な選択肢があります。
本記事の情報を活用し、最適な一台を見つけて、新しい「移動の自由」を手に入れましょう。
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